「外国でやってみたいことリスト」というのが自分の中に存在するならば、
ずっとやってみたかったのは、髪を切ることだった。
それも、言葉の通じない国で、言葉の通じない者同士で。
ところが、そんな風に思っていたにもかかわらず、
よく考えたら1年くらい髪を切っていなかった。
さてそろそろ・・と重い腰をあげ、まずは本屋さんへ。
髪型の載っている雑誌はあるかな?と棚を見ると、
いくつかあったのでパラパラめくる。
しかし、笑えるほどモード・モードな髪のオンパレード。
私がこうしたら、という想像の余地もないほどの、
圧倒的なモードっぷり。
一体どんな服を着、どんな顔をして歩けばいいというのか。
ネットで少し調べるか、と思ってキーボードをたたくと、
「もうフランス人に髪は切らせない!」
「ひどい目にあった、やっぱり日本人が一番うまい!」
の文字ばかり。
やっぱりあれか?ああいうモードなかんじになるのか??と少々不安がよぎる。
でもこんな風にうだうだしていて切らないなんてもったいない。
ええい面倒だもう行ってしまえ、と思い、
とりあえず「マレで髪を切る」ということだけ決めて、外へ。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる歩き回り、
ここだと思ったところを発見した。
チェーンとかじゃなく、有名でもなく、
小さくて、でもお客さんが来ていて、大丈夫そうな匂いのするところ。
しかし、マダムともうひとり、前髪をパツンと切った可愛い女の子のふたりに対し、
5人くらいお客さんがいる。
混んでいる状態での交渉はお互い面倒だと思い、
いったん少々時間をおいて出直し、
お客さんが残り1人になっていたのでそのままお店に入った。
最近のパリでは英語が通じる、とはいうものの、
観光客相手に仕事している人をのぞくと、
まだまだ若者でもしゃべれる人は限られている、というのが実情。
マダムはおらず、女の子が出てきてくれたが、英語はやっぱり喋れない、という。
私が使える単語はごくごくわずか。
とりあえず料金表を見て、
coupeってバゲットのクープと一緒?だったらカットかね、
と適当にcoupe を連呼した。
おっ、shampooing は別っぽいと思い、それも追加。
あとは彼女が出してくれた雑誌で、
彼女が一番最初に指差した髪型がよさそうだったので、「ウィ」。
どれくらいの長さ?というので、迷った。
いつかベリーショートにしてみたい、と言い続けつつ、
今回もまわりに止められたので、
このへん、と適当に耳の下と肩の間らへんを指差し、「あとはよろしく」。
切っている途中でマダムが帰ってきた。
どうやら残りのお客さんがパーマで待ち時間ができるから、
その間に犬の散歩をしていたみたいだった。
このナイスなゆるかげんがすきだ。
こうして、だらりんとのびきった私の怨念系後ろ髪はなくなった。
仕上がりもナチュラル。
そもそも、適当に髪型を決めたわりには、よいかんじだ。
むしろ美容師さんの女の子ががんばってくれた、というのが正しいが。
ほんのちょっとの意外性が含まれるから、
髪を切るってやっぱり楽しい。
いいねぇ、いいねぇ。楽しんでるねえ^^
返信削除アメリカも楽しいけれど、ヨーロッパを見ると。。笑
やっとNYに戻ってきたよ。一時的にですが。
旅は楽しいけれど、慢性的な野菜不足です。。
きんかんさん
返信削除おかえりー。
NYどうかな、やっぱ暑いかな。
私は、こっちの生活も楽しんでいるけど、
きっと戻ってメトロの駅出たりしたら、
「あ、帰ってきたー」って思うんだろうな、って思う。
きんかんさんもそうじゃない?^^
とにかく今は、野菜をムシャムシャやりつつ、
疲れをゆっくり癒しておくれー。