2009-08-29

行列。


人々がずらーっと並んだその先にあるもの、
この街で、それはたいてい「美味しいもの」であることが多い。



今日、その行列の先にあったのは、この「Shake shack」。
NYナンバーワンとの呼び声も高い、バーガー屋さん。
日本ではあまり行列には並ばない方だけれど、
さすがにこれは食べておきたい。



オーダーをすると、これを渡される。
できあがったらブルッとふるえるらしい。



待つこと数分。
おまちかねの、バーガーとポテトが到着!
アメリカにしては珍しく小振りなサイズながら、
バンズはふかふか、お肉もなかなかにジューシーで、けっこう好み。
なんだか久々にモスバーガーを思い出してしまった(似てはいないんだけど)。
アッパーウェストの店舗の方がすいてるらしいし、家からも行きやすいので、
今度はそっちで買おうかな、と、食べてるそばから次の算段。

2009-08-27

美味しい。


今日本で一番行きたいカフェは?と聞かれたならば、
私の中で間違いなく、そして瞬時にナンバーワンに輝く、「koffe」。
NYでパンを習った先生とそのご主人のお店です。
富山にあるから少し遠いのだけれど、
いつか、絶対に行こうと決めています。



そのkoffeから、開店記念のお祝いのお返しにと、
コーヒー豆とお菓子の詰まった箱が届いて、大興奮。
もったいなさすぎてどきどきして、深呼吸。
おそるおそる箱を開き、
ふたつあるうち「home」という豆の袋を手に取り、また一服。
袋をあけてしみじみと香りを吸い込んで、
・・あまりの幸せな空気に、夫を呼んで香りのおすそわけ。
うーん、なんていい匂い。

コーヒー豆の香りはもともと好きだけれど、
こんなに深々とたっぷり吸い込みたくなるほどの素敵な香りは、はじめてでした。

いい匂いに囲まれながら、夫とお茶。
どれから食べよう!と迷いながらいただいたお菓子の、
美味しいこと、美味しいこと。

愛情こめて丁寧に作られたものたちだけがもっている空気って、
どうしてこんなにも素敵なんだろう。
そして、そうだ美味しいってこういうことだった、と思った、
ある夏の終わりの昼下がり。

2009-08-26

クロイスターズ


ずっと行きたいなぁと思っていた、夏のクロイスターズへ、夫と。
回廊のところの植物が、前に来たときと全然違っているのが面白い。
でも教会のところの静謐な雰囲気はそのままで、
たぶん今までもこれからもそうなんだろうな、と思う。

2009-08-22

BBQパーティー。


土曜の朝。
友人たちとPenn Station で待ち合わせ、ロングアイルランドレイルロードに乗った。
ご招待いただいたおうちまで、約1時間のショートトリップ。
久しぶりに訪れるひろーいお庭は、夏の緑でいっぱいで、まるで公園のよう。




じゃーん。
今日の主役のお肉を焼いてくれる、BBQマシーン!
ころんとした形がなんだか愛らしい。


ハリケーン・Bill が接近していたせいで、
夏の最中の陽射しに独特の湿気が加わって、外は少々蒸し暑い。
というわけで、BBQパーティーは、おうちの中で行われることになった。
キッチンでにぎやかに準備をし・・ている友人たちの後ろをうろうろ。


持ち寄ったお料理を並べて・・


パーティーがスタート。


秘伝のタレに漬け込んだあと、例のマシーンで焼いたお肉など、
次から次へと運ばれてくる美味しいお料理に大興奮。
座ったまま美味しさをかみしめるのがせいいっぱいで、
もう、写真を撮る時間さえもどかしく。。




このほか、お庭で育てた野菜たちをグリルしたものや、
香ばしい焼きおにぎり、あまーいコーンなど、
それはそれは盛りだくさんで美味しい食卓。
しかし、「早く食べたい!」というあせりが大変なブレを呼び、
写真には残らず・・。




あんなにたくさん食べたのに、デザートもペロリ。
別腹ってことばは、便利でとてもありがたい。


BBQの合間には、お庭ツアーも。




家庭菜園にはたくさんの野菜たち。
みんなで一番驚いたのは、オクラ。
こうやって生えてくるとは知らなかった!





とても可愛くて小さなお花だな、と思っていたら、ニラの花だそう。


こんなお庭なら、植物にとってはさぞかし居心地がよろしかろう。
紫蘇も、ご覧の通りの繁茂っぷり。
私もこの紫蘇になりたい。







とてもとても会いたかった、この方たちともついにご対面~。


美味しくて嬉しい、忘れられない一日。

2009-08-21

思いもよらない出会い。

書き忘れていたことがあったので、フランスのことをひとつ。

Paris を出る前日、行きたいところを詰め込んで大忙しのスケジュールの中、
どうしても行きたくなってしまった場所が、郊外にあった。
他の人にとってはなんでもない場所。
でもなにやら気になって、自分の目で確かめたかった場所。


発端は、アリーグルの蚤の市で偶然手に取った、古びたキーホルダーだった。
ヒヒヒと笑う、悪そうなシェフと、まな板の上の鯉、ならぬ、
今まさにオーブンに運ばれんとする、トレイの上の鳥。
表面のデザインに惹かれて、ちょっといいなと思ったので、裏面を見た。
そこには、「la maison du couscous」という店名と、パリ郊外の住所。
あ、フランスのキーホルダーなんだな、と、買って帰った。
いつのものなのかは、聞かなかった。
でも、家に帰って、ふと「どのあたりにあったんだろう?」と思って、
なんとなくgoogle map で住所をひいたら、
住所が存在する、ということにとどまらず、
このレストラン自体が、現存していることがわかった。

もし仮に、つい最近作られたばかりのキーホルダーだったとしても、
レストランが「本当にあった」というこの偶然を捨てるのはもったいない。
とにかく行ってみよう、縁があるなら着くだろう、と、
今思えば無謀にも、地図すら持たずに、メトロを乗り継いで最寄り駅まで行った。

駅の階段をのぼると、
そこはわずかにParisを出た、けれどもう郊外の街だった。
適当にあたりを見回すと、だいたいの通りの名が載っている看板が、
都合良く立っていた。
これ幸いとばかりに、通り名を頼りにしてmaison du couscous を探しつつ歩く。
もし発見できたらラッキーだなぁ、くらいの軽い気持ちだったのがよかったのか、
通りと地番で、偶然にも行けてしまった。


特におしゃれなわけでもない、
やや(だいぶ?)うらぶれた雰囲気のホテルの1階にある、
何の変哲もないレストラン。
ここが、目指していた場所だった。
おまけに、案の定ヴァカンスに入っており、中はがらんどう。
記念に何か食べられるわけでも、お店の人と話ができるわけでもない。
でも、ふらりとここに来て、その存在を確認できたことに意味があったから、
これで、とても、よかった。


ここは観光客などまったく見かけない、いわゆる普通の街。
写真を撮っていたら、地元のおじさんにあきらかに不信な目で見られ始めたので、
すぐはす向かいにパティスリーの看板を見つけたのをいいことに、
中に入ってみた。


看板は可愛い。
でもまぁきっと「街の普通のお菓子屋さん」ってかんじなんだろうなー、
とタカをくくっていたのだけれど。


実際には、ショーケースを埋め尽くしている、
とても綺麗なケーキやタルトたちにほれぼれしてしまった。
どうやら、すぐ奥に見えるキッチンで作っているみたいだ。






キラキラとフルーツが輝いているタルトと迷ったけれど、
お昼どきでおなかがすいていたので、
プロヴァンス風キッシュを買って、次の場所に移動しながら食べた。
美味しそうで、美味しくて、
食べてしまってから、写真を撮り忘れたことに気がついた。
このお店は、キーホルダーがなかったら、絶対に行かなかった郊外の1軒。

私にとって、このキーホルダーは、もう、ただの古いグレーの物体ではなくなった。

2009-08-19

稲妻


ここ数日はむわっと湿気ている日々で、日中はとてもじゃないが外に出られない。
涼しくなるといいなぁ、と思っていると、夜、突然の大雨と雷。
いやはや、すさまじい具合だった。

2009-08-16

I’m back.


前の日の晩、夜11時頃に、アメリカに帰ってきた。
はじめて日本からNYに向かったときは、どんなところかという好奇心だけで、
特にこれといった憧れなどはなかったのに、
今では自信をもって、「NY、いいよ!」って言える。
NYに行って日本が見えてきたように、
パリに行ってNYのこともよりたくさん見えてきた気がする。

家の鍵の回し方や、道を行く多種多様な人々の様子や、洗剤の匂いや、
そんな日常の小さなことを少しずつまたなぞっていって、
「あぁ帰ってきたんだなぁ」と思った。
このお砂糖も、よく考えてみたら、とてもアメリカ的なもののひとつだ。

家の近くでは200メートルくらいの間で2軒もお店がツブれてしまっていて、
ちょっと悲しかったけど、
道端で本を売るスティーブンや、いつも行くスーパーのケリーや、
家の警備員のおばちゃんに会って、「おかえりー」と言われたりして、
それはとても嬉しいことだった。

さて、残り1年弱、この街も味わい尽くさなくては!

2009-08-15

ダッシュ

明日はもう飛行機に乗ってこの街を離れるのか、と思うと、
なんだかしんみり。
とはいえ時間はないわけで、残り1日を大切にすべく、朝から出かける。


エッフェル塔の下に、小さく見えるは、・・・そう、「自由の女神」。
自由の女神をフランスから贈られたアメリカが、そのお礼に贈ったものらしい。


この女神さま、セーヌ川にある小さな人口の島の突端に立っている。
向こう側を向いているのは、向こうがアメリカだから?
(いや、そもそもアメリカと向かい合わせではないのか?)
島に降りるのはめんどくさく、
横着して、島の上を通り過ぎる橋から撮ったら、後ろ姿ばかりになってしまった。
後ろ姿はなんとなくヤマトタケルノミコトみたいだった。


移動中の15区で、回転木馬を発見。
近未来的。
しかしこのUFOは、ちょっと惹かれるな。


一旦パリ市内を出たあと(後述)、
また市内に戻ってきて、そのままシテ島のサント・シャペルに向かった。
ステンドグラスの美しさを、しっかりと目に焼き付ける。




お土産屋さんがある場所で、ふと柱を見たらとてもかわいかった。
この古びたかんじがまたいいわけです。ほんとに。


行ってみたかったパッサージュをびゅーんと通り抜け、


地下鉄に乗り、また歩く歩く。


「今のポーズじゃ困るわ。もう1枚撮って。お願いよ」(アテレコ・翻訳風)


この配色を見てアメリカ的だと思うのはなぜなのか。


かわいいショーウィンドウ。


覗き込んでいるのが何のお肉なのかを想像すると、
ちょっとシュールに見えてくるディスプレイ。


坂を上ったり下ったりしていたら、ここにも回転木馬が。


バスという異端の傍にある正統性。


サクレ・クール前の広場では、男のコたちがダンスパフォーマンス。
けっこうな人数の観客を味方につけ、歓声をあびていた。
こういうのってついつい見てしまう。


たくさんの場所を歩いて歩いて、一度家に帰り、
ゴハンを食べにまた外へ(あ、このお店はただ通り過ぎただけ・・)。
夜のエッフェル塔も、これで見収め。
次にこの街に来れるのは、いったい何年先だろう。
でもまた、いつか必ず!