2010-03-14

Fallingwater


本日の目的地は、"Fallingwater" 。
日本名で言うところの「落水荘」で、
Frank Lloyd Wright が設計を行ったことで知られている、有名建築。
この日もあいにくの曇り空で、なかなか肌寒い。
道にはところどころ雪が残っていたし、
途中かなり霧が出、数メートル先がよく見えないこともあった。

道すがら想像したとおり、到着したところは、人里離れた山の中。
NYを出発する前は、もう少し近隣の別荘的な建物が
見え隠れする場所なのかと思っていたが、
実際にたどり着くと、建物は木々に囲まれ、外界の要素が全く感じられない。


この建物は、ツアーに参加して見学することになっていて、
事前にwebか電話で申し込みをしないと見学ができない。
Regular Tourは写真撮影NGということもあったし、
よりじっくりと説明を聞きながら見たかったので、
私たちはIn-Depth Tourの方を選択した。
まだまだオフシーズンに当たる時期のはずだけれど、
周辺の日程で売り切れも出ていたので、
やっぱり人気の場所なのだろうと思う。


受付でガイドさんと落ち合い、広大な庭を歩きながら建物へと向かった。
Fallingwater はその名の通り、川の上に建っている。
その程度の事前知識は持ち合わせていたものの、
実際に見るとやっぱり、ほう、とため息が出てしまう。


中に入り、次々に部屋を見ていった。
一番印象に残ったのが、リビングだった。
アメリカの家に慣れていたので、
それに比べると天井高は低めだな、と思ったのだけれど、
一方で圧迫感を全く感じなかったのは、
ひとえにその空間の使い方と窓の造りによるものだと思う。
広々とした部屋に、ダイニングスペース、リビングスペース、
高さを抑えた書棚がいくつか。
川の流れに面した壁には、一面大きな窓を設けてあり、
自然と外の緑が目に飛び込んでくる。
リビングの一角には、室内なのに川の流れを見下ろせる窓まで付いていた。


ここは、建物のみならず、一部を除いた家具も、
Frank Lloyd Wrightがデザインしたものだという。


ひとつ上の階に行くと、今度はいくつもの個室がしつらえられている。
下の階では、木々の真ん中を切り取るように窓が設けられていたけれど、
今度は窓から木々と空を見渡すことができ、
建物の同じ側から外を見ているのに、景色が全く別の印象となって目に映る。


面白かったのは、このテーブル。
依頼者が、テーブルのデザインが完成してから「窓を開けたい」と言い出したため、
窓が開く分だけ机をカットしたのだとか。
なんだか間取り図のドアのマークみたいだ。




色々と面白いポイントが多すぎて書ききれない。
でももうひとつだけ、重要だと思うことを書くなら、
それは計算され尽くした建物の造り、ということになるだろう。
駐車場の位置ひとつとっても、
外部からは誰が出入りしているか見ることはできないし、
個別の部屋同士も、綿密に設計されているせいで、
隣りの部屋の人を気にせず、ひとりでくつろぐことができる。
これを、1930年代という時代に設計した、Frank Lloyd Wrightのすごさ。


地下室、はなれと、色々楽しみながら、ツアーは終了。
残りは、「自己責任でどうぞ」と言われた、別の角度からの外観見学。
滝の上に建つFallingwaterをひと目見たくて、皆で向かった。


やっぱり、この建物は、すごい。

その後、もうひとつのFrank Lloyd Wrightによる建築も見学し、
街へと戻った。
理想の家、住みやすい間取り、自分らしいインテリアなどについて考えるうえで、
この上ないヒントをたくさんもらった一日だった。

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