本日の目的地は、"Fallingwater" 。
日本名で言うところの「落水荘」で、
Frank Lloyd Wright が設計を行ったことで知られている、有名建築。
この日もあいにくの曇り空で、なかなか肌寒い。
道にはところどころ雪が残っていたし、
途中かなり霧が出、数メートル先がよく見えないこともあった。
道すがら想像したとおり、到着したところは、人里離れた山の中。
NYを出発する前は、もう少し近隣の別荘的な建物が
見え隠れする場所なのかと思っていたが、
実際にたどり着くと、建物は木々に囲まれ、外界の要素が全く感じられない。
この建物は、ツアーに参加して見学することになっていて、
事前にwebか電話で申し込みをしないと見学ができない。
Regular Tourは写真撮影NGということもあったし、
よりじっくりと説明を聞きながら見たかったので、
私たちはIn-Depth Tourの方を選択した。
まだまだオフシーズンに当たる時期のはずだけれど、
周辺の日程で売り切れも出ていたので、
やっぱり人気の場所なのだろうと思う。
受付でガイドさんと落ち合い、広大な庭を歩きながら建物へと向かった。
Fallingwater はその名の通り、川の上に建っている。
その程度の事前知識は持ち合わせていたものの、
実際に見るとやっぱり、ほう、とため息が出てしまう。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh_1apoiVFCXbksF006GmQjiw1UwqfEODsjPcYS6lp5FV_dtdifdWm2xSZCssnBH_mTRKRMvynxfeulgnHo1y4NF8MnMX8a0cgoioDcVrXftGW2SBsz5Qo8uJBkpSH6z_tHe2emTgXsIyo8/s400/_3144093_00.jpg)
中に入り、次々に部屋を見ていった。
一番印象に残ったのが、リビングだった。
アメリカの家に慣れていたので、
それに比べると天井高は低めだな、と思ったのだけれど、
一方で圧迫感を全く感じなかったのは、
ひとえにその空間の使い方と窓の造りによるものだと思う。
広々とした部屋に、ダイニングスペース、リビングスペース、
高さを抑えた書棚がいくつか。
川の流れに面した壁には、一面大きな窓を設けてあり、
自然と外の緑が目に飛び込んでくる。
リビングの一角には、室内なのに川の流れを見下ろせる窓まで付いていた。
ここは、建物のみならず、一部を除いた家具も、
Frank Lloyd Wrightがデザインしたものだという。
ひとつ上の階に行くと、今度はいくつもの個室がしつらえられている。
下の階では、木々の真ん中を切り取るように窓が設けられていたけれど、
今度は窓から木々と空を見渡すことができ、
建物の同じ側から外を見ているのに、景色が全く別の印象となって目に映る。
面白かったのは、このテーブル。
依頼者が、テーブルのデザインが完成してから「窓を開けたい」と言い出したため、
窓が開く分だけ机をカットしたのだとか。
なんだか間取り図のドアのマークみたいだ。
色々と面白いポイントが多すぎて書ききれない。
でももうひとつだけ、重要だと思うことを書くなら、
それは計算され尽くした建物の造り、ということになるだろう。
駐車場の位置ひとつとっても、
外部からは誰が出入りしているか見ることはできないし、
個別の部屋同士も、綿密に設計されているせいで、
隣りの部屋の人を気にせず、ひとりでくつろぐことができる。
これを、1930年代という時代に設計した、Frank Lloyd Wrightのすごさ。
地下室、はなれと、色々楽しみながら、ツアーは終了。
残りは、「自己責任でどうぞ」と言われた、別の角度からの外観見学。
滝の上に建つFallingwaterをひと目見たくて、皆で向かった。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhIErAfPdzUduRdZSUBJ9W125lAJ4VY8vO05N53rUUpYgGnanS1-1iExQC9mAkqkViD8VDzP2_bqXdV4bXEhJbDRAImFuGRUVhukxDoz12LGku8xr_MmwryIPCCkx-Aw8ch3xZ22rniMkjK/s400/_3144191_00.jpg)
やっぱり、この建物は、すごい。
その後、もうひとつのFrank Lloyd Wrightによる建築も見学し、
街へと戻った。
理想の家、住みやすい間取り、自分らしいインテリアなどについて考えるうえで、
この上ないヒントをたくさんもらった一日だった。
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