2009-06-06

咲き乱れる。


週末、郊外にあるGiverny(ジヴェルニー)に出かけた。
パリから電車で約1時間程の場所にあるこの村には、
画家のモネが晩年を過ごした家や、「睡蓮」のモデルとなった池がある。
小さな駅に着くと、そこからはバスで15分ほど。
パリとほんの少ししか離れていないのにこんなにも雰囲気が違うなんて面白いな、
と思いながら、バスに揺られた。


小川の中にゆらりゆらりする藻を覗き込みながら、モネの家に向かった。
睡蓮がある池に行く途中に広大な庭があり、
数えきれないほどの花が咲いていた。
咲き乱れる、ってこういうことを言うんだなと、初めてわかった。






 







こういう場所は、写真がとても難しい。
うまく撮れないのを承知でカメラを構えつつ、
内心は、まかり間違ってうまく撮れやしないかと少しだけ期待していた。
実際には、やっぱり思ったとおりにはならなかったけれど、
この風景を見たときのことが後から思いだせるというのが、
写真のいいところだと思う。


睡蓮の咲く池を見ている頃は雨がポツリポツリと落ちていた。
観光客が写真に入らないように撮ったつもりが、
よく見ると亡霊のように池にだけ映りこんでいて、
少々不気味な写真になってしまった。
実際にはワサワサと茂る草が綺麗だった。ほんとです。








モネの家の中にはキッチンもあって、青のタイルがとても綺麗だった。
模様を写真に収めたいなと思ったけれど、
コレクションの浮世絵がたくさんあるためか撮影は禁止。
後で売店に行くと、
ポストカードのみならずミニチュア制作キットまで売られていて、
心の中を見透かされた思いだったのでなんとなく買わずに出た。


観光客が多いのに、この村には全体的にのんびりとした空気が流れていた。
小さい頃食べたようなミルク味のアイスを食べながら、駅に向かうバスを待った。
小説を読むとその時々で感じることが変わるように、
あの庭も、見るひと、見るときによって、思い返す何かは変わるんだと思う。

歳を取ってヨボヨボになったときにもまた来たいけれど、
そのとき東京-パリの飛行機はシューンと一瞬で私を運んでくれるだろうか。
14時間のフライト時間が、短くなっているといいなぁ。

2 件のコメント:

  1. あ、あ、行ってきましたか!!
    私が行った時もいっぱい咲いていたよ。
    あなたが撮りまくっている姿が目に浮かぶ・笑。

    私もキッチンの様子はよく覚えているなぁ。
    ささ、忘れないうちにオランジュリーへ行ってください^^

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  2. きんかんさん

    ええ、ええ、行ってきました。
    よかったよ。とっても。

    写真、撮りすぎのわりに、
    全体像が見えるものが少なくって笑えました。
    オランジュリーも、行かなくちゃね。

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